手汗(手掌多汗症)は
遺伝?うまれつき?
手掌多汗症が先天的なものや遺伝であるか否かは、完全には解明されていません。こうした中、遺伝子研究の分野では、手掌多汗症は遺伝しないという考え方が主流になっています。これに対して、現実に目を向けると、親子で手掌多汗症に悩んでいらっしゃる場合も少なくない一方で、家族のうち1人だけが手掌多汗症だという例も存在します。日本人では、約5%すなわち約20人に1人の割合で手掌多汗症が発症するとされており、それほど珍しい病気ではありません。
体質や性格が似ると親子で
多汗症を発症しやすい?
手掌多汗症には、自律神経のうち交感神経の亢進が関与しています。そして、緊張などストレス下に置かれると交感神経が活性化しやすい体質が、親子で似る場合もあります。そうすると、手掌多汗症そのものが遺伝しなくても、手掌多汗症を起こす要因となる体質が遺伝し、結果的に親子で手掌多汗症を発症しやすくなることはあるかもしれません。
また、手の発汗量には、性格も影響します。内気でストレスを蓄積しやすく、緊張しやすい人は、手汗が気になってさらに緊張し、発汗量が増える悪循環に陥りがちです。家族で性格が似ることは珍しくないため、その意味でも、性格や体質が似た親子間では同じ多汗症を発症しやすいとも言えるでしょう。
手汗を止める方法
(手掌多汗症の治療)
手掌多汗症には、保存的な治療方法もいくつか用意されています。しかし、効果が不十分な例も多く、治療の継続が必要になるという難点がありました。
当院では、手汗・脇汗の治療に有効な選択的ETS(胸部交感神経切除術)という日帰り手術に対応しています。ほぼ100%の効果が期待でき、手汗の悩みを根本的に解消する手段になり得ます。また、傷が小さく、目立ちにくい利点もあります。