子どもの手汗
（手掌多汗症）
について
多汗症では、汗腺が正常であるにもかかわらず、異常に多量の発汗が生じます。原因の1つとして発汗を制御する交感神経の過剰な活性化があり、決して成人だけの疾患ではありません。早ければ3歳前後で発症します。
これまでのところ、多汗症に遺伝性は認められていませんが、親が多汗症の場合、親と体質や性格が似ている子どもは発症の要因となる体質が遺伝し、結果的に親子で手掌多汗症を発症しやすくなることは考えられます。
交感神経は外からのストレスに反応して興奮しやすい自律神経であるため、不安や緊張の影響も受けやすく、これらのストレスにさらされた結果、発汗量が増える場合も少なくありません。
手掌多汗症の子どもは、成長するにつれて汗に関する悩みが増え、ときには人格形成にすら影響が及びます。できるだけ早い段階で症状を適切に見極め、適切な治療によって、心身の健やかな成長を助けることが大切です。
子どもの手汗（手掌多汗症）チェック
- 絵を描くときの画用紙が汗で湿ってしまう
紙が破れたり、絵や文字やにじんだりする場合もある - 手が滑ることによる失敗が多い
手指が滑ると、文房具や食器、玩具などを上手に扱えない場合がある - ピアノの鍵盤や家具などに手指の跡が付く
どこに触ったのか分かるほど、汗が付着する場合がある - 手掌の皮がむける、湿疹ができる
手指にあせも(汗疱）ができてかゆがったり、季節の変わり目に手の皮がむけやすくなったりする - 手つなぎや手袋を嫌う
人と手をつなぐのを嫌ったり、内側が汗で濡れて気持ちが悪いため手袋を避けたりする場合がある
子どもの手汗
（手掌多汗症）は
当院へご相談ください
大人だけでなく、子どもにとっても手の多汗は悩みの原因になり得ます。実際、試験で問題用紙が濡れて破れたり、何かに触ると跡が付くことを周囲に指摘されて恥ずかしい思いをしたり、汗が気になって人と手を繋げなかったりと、悩みの原因も様々です。
当院では、手掌多汗症に対する手術の対象を、原則として15歳以上の患者様に限定しています。その主な理由は、副作用など手術の影響や結果について、患者様が自分で判断することが大切だと考えているためです。ただし、15歳未満でも、手術を使わずに症状の緩和を目指すことは可能で、適切な選択肢を提示することもできます。また、症状の度合いによっては、早めの手術を検討する場合もあります。実際に、院長は中学生の多汗症手術を多く経験し実績もあります。ただし、本人の体格にもよります。あまり小柄の場合は、手術器具の都合、難しい場合があります。
自己評価を下げる要因にもなり得る症状がある場合、早めに治療をして改善していくことで、子どもの心理状態にもプラスに作用します。症状に気付いたら、一度当院にご相談ください。
